松井直巳(放送大学 学友)
神戸大学六甲キャンパス内の兵庫学習センターでの「障害者差別の解消について」を学ぶ面接授業の始めに、川島聡先生から受講生の紹介がありました。愛嬌の中にあどけなさが残る青年が、恥ずかしそうに少し緊張した面持ちでバギーに座り、その後ろに立つお父様が、名前と「彼は4年生です」と話されました。挨拶する気持ちを、言葉を発しない代わりにエモーションカードの選択と、お父様が表情や様子もくみ取りながら代弁されました。それが、最前列でお二人の真正面に座っていた私と門川未來さんとの出会いでした。

1日目の授業が終わり、駅までの下り坂を歩いている途中、未來さん親子が風のように私の横を通り抜けていきました。お父様のバギーの操縦の軽やかさに見とれながら私を追い越していく瞬間に見えたお二人は、まるでジェットコースターに乗っているかのように、なんとも愉しそうで幸せそうな笑顔が印象的でした。

未來さんは体調を考慮しての個室とグループディスカッションでは私たちと同じ教室の2部屋で授業を受けられておられたのですが、2日目には休憩時間にベランダでお会いし、帰りの電車でもご一緒になって、おしゃべりをしました。

ある学習センターでは、面接授業の別室で先生やスクリーンを映すモニターとは別に「未來さんがみんなと一緒に受講している雰囲気を共有できるように」と、講義室にも用意された未來さんの席から教壇側を映すモニターも設置してくださったとのことで、とても喜んでおられました。みんなと同じように授業を受けられる体制を整えることは、合理的配慮の面から当然と考えますが、物理的な面だけでなく、当事者の心や気持ちにまで配慮される放送大学の学びに対する思いやりの姿勢に、私もとても感動しました。
